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日本人は肩こりになりやすい?肩こりに関する噂話を医学的に説明します。


よく肩こりに関して聞くうわさ話。例えば「日本人は肩こりになりやすい?」など、これは本当に正解なのかどうか知りたくありません。

今回はそんな肩こりに関しての噂話をまとめて、更にそれを医学的に説明してみました。

果たしてあなたが信じている肩こりの噂話は本当なのか?それとも…。

ではではいきましょう。


1.外国人はそもそも肩こりにならない?


まずこのうわさ話。

これは×です。

外国人の方も肩こりはもちろんあります。ただし、日本人とは凝る場所とこり方が違います。

外国人(欧米人)と日本人、身体の中の作りを比べて、何が1番違うかと申しますと、背中のカーブです。首から腰まで背中は、S字型にカーブしていますが、そのカーブが浅いのが日本人、深いのが欧米人となります。

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このカーブが浅いか、深いかでどう違うのかと申しますと、深いと言う事はバネようによく伸び縮みし、頭を支えるのが楽と言うことです。ですので、欧米人は頭を軽く支えることができ、肩はこりにくいと言えます。ですが、S字が深い分背中に負担がかかりやすく、背中はこりやすいと言えます。

しかも日本人のように、ここが凝ったとかこのツボが効くといった小さな範囲で深く凝るのではなく、広い範囲で浅く背中が凝ります。

当院でも、ペルー人やブラジル人など外国の方が来院されていますが、ここが凝ったと指をさされるのではなく、背中の広い範囲が凝ったといつも訴えます。

ですので、日本人と外国人は凝る場所と凝り方が違いますが、外国人も肩は凝ると言えます。


2.姿勢が良いと肩こりにはならない?


こちらも×。

良い姿勢でも、悪い姿勢でも、同じ姿勢を長時間続けると言うことが身体に負担をかけます。ですので、重要な事は、同じ姿勢を長時間続けないと言うことです。

姿勢を保つには、背中の深い所にある多裂筋(たれつきん)と言う筋肉が深く関わってきます。この多裂筋に、長時間同じ負荷を与えることによって、筋肉の疲労が起こり、それが肩が凝った、背中が凝ったという原因となります。

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大体1姿勢、30分以内と考えてください。また普段していないような、背筋をピンと無理に張る姿勢は、普段していない分、身体に負担がかかると言えます。それでしたら、普段の自然体のままの姿勢の方がよく、色々な姿勢をとりながら、作業を行う方が身体には楽と言えるのではないでしょうか?


3.現場仕事の人より、デスクワークの方が肩こりになりやすい?


こちらは○。姿勢の所でも言いましたが、とにかく長時間同じ姿勢でいることが、多裂筋の疲労につながります。

デスクワークは、ほぼ同じような姿勢で、長時間過ごされますので、身体には負担が大きいと言えます。現場仕事の方は、常に動いていますので、肩こりは起こりにくいかもしれません。ただ重たいものを持つので、腰痛にはなりやすいと言えます。


4.男性より女性の方が肩こりになりやすい?


こちらは比較的○にあたります。

これは男性よりも女性には、なで肩が多いということが原因です。なで肩とは、鎖骨を正面から見て、鎖骨の内側より外側が、下がっているものを言います。これは生まれつきも多くありますが、重たいカバンを肩にかけるなど生活習慣の問題ももちろんあります。

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鎖骨が下がっていると言う事は、その分肩の筋肉である僧帽筋や肩甲挙筋など肩を支える筋肉が引っ張られる事となり、肩が凝りやすくなると言えるのです。


5.女性でバストが大きい方は、肩こりになりやすい?


こちらも比較的○。

バストが大きいと言う事は、それを支える筋肉や靭帯に、大きな負担がかかるということです。特に、大胸筋と小胸筋には、負荷がかかります。その内の小胸筋は、身体の深い所にあり、普段座っている姿勢でも硬くなりやすい筋肉です。その小胸筋に、バストの重みで余計に負荷がかかるということは、肩こりが起こりやすくなると言えるでしょう。

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(詳しくはブログ、胸郭出口症候群をお読み下さい。)

胸郭出口症候群の所でもお話ししましたが、小胸筋の下には、太い重要な神経が走っており、小胸筋が固く縮こまると言う事は、この神経を圧迫してしまうということです。すると腕が痛くなったり、腕が上がらなくなったり、腕に痺れが走ったりと言った症状が出現します。ですので、バストが大きな女性の方は、小胸筋に注意を払わなければなりません。


6.肩こりの種類が1つでないと言うのは本当?


これも○です。

肩こりは結構不良タイプ、筋肉疲労タイプ、神経タイプと3種類に分けることができます。

血行不良タイプ・・・いつも手足が冷えていて、肩や首も冷える。温めたり、運動したりすると肩こりも楽になる。

筋肉疲労タイプ・・・パソコンやスマホ、家事や長時間無理な姿勢をしたことなどが原因で、肩がこる。温める位では楽にならず、治療を受けると楽になる。

神経タイプ・・・・ストレスや精神的症状が原因で肩がこる。

実際はこれらの種類が複合して肩こりは起こります。当院では特に、筋肉疲労タイプを筋肉別に分け、どこの筋肉が障害されて肩こりを出しているか種類を分けて考えています。

1.僧帽筋タイプ
2.肩甲挙筋タイプ
3.棘上筋タイプ
4.胸鎖乳突筋、斜角筋タイプ
の4タイプです。

詳しくはブログ、「肩こりの原因は1つでない」をお読み下さい。


7.肩こりの人は、頭痛や腰痛になりやすいって本当?


これは◎。まさしくその通りです。

肩こり、特に首ですが、首が凝ると頭につながっていく神経を硬い筋肉で圧迫することとなり、これが頭痛となって現れます(緊張性頭痛)。

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図の大後頭神経、小後頭神経を首の筋群が圧迫すると、頭痛が発生する。

また、背中が凝ってきますと、脊柱全体に負担がかかることとなり、腰痛も現れやすくなると言えるでしょう。


8.肩こりのせいで疲れやすかったり、眠りにくかったりするのは本当?


最後のうわさ話。これも○です。


肩こりのせいで身体が重だるく、特に腕には大きな負担がかかると言えます。すると、パソコン作業や料理をする時でも腕を上げていることが苦痛となり、普段よりも疲れやすくなると言えます。

また、肩こりが気になって、神経が高ぶり、(交感神経優位状態)寝付きが悪くなったり、夜中に目が覚めてしまったりなど睡眠の問題も発生しやすくなります。肩こりのせいで、寝返りがうまくできず、睡眠が浅くなりますと、朝目覚めるのも辛いと言えます。

以上8つの噂話でした。どうでしたでしょうか?

 

当院ではこういったうわさ話もそうですが、患者様が悩まれている症状に対して医学的に説明し、その上で治療を行っていきます。

ぜひ肩こりでお悩みの方は滋賀県のきしの鍼灸整骨院へお越しください。


  • この記事を書いた人

  • 岸野洋人

  • 滋賀県野洲市きしの鍼灸接骨院の院長。学生時代にいつまでも治らない腱鞘炎に困り果て、その症状を治した鍼灸治療から治療家の道に。夢は治療をしながら世界を回ること。
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