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滋賀の鍼灸院が逆流性食道炎の患者さんに診断・治療!その結果は?


今回の患者さんは、当院に来院している他の患者さんから、首の痛み、肩こりが楽になったと聞き、来院されました。

主訴は逆流性食堂炎、首の痛み、肩こり。

ご夫婦で塾を経営されており、仕事に対するストレスが大きいとおっしゃいます。首の痛みがひどい、肩こりがひどいと夜もなかなか寝付けず、布団に入って1、2時間は寝付けないと訴えます。
また、横になると胃酸が逆流し始め、胸がむかむかする、気持ちが悪い、気分が悪い、喉が焼けたようなヒリヒリした感じがするなどお話しされました。

そんな痛み・症状を抱えている方に滋賀県の鍼灸院が施した治療とは?治療の流れを含めてわかりやすく書いていきます。


そもそもいつから逆流性食道炎になったのか?


いつごろから、なぜこのような症状になったか聞いてみますと、首の痛み、肩こりは何年も前から感じていたようです。

その都度何かしらの治療をし、それで良くなっていたようです。しかし、ここ半年位は治療してみてもあまり改善せず、その上胃酸が逆流するという症状が多くなってきたとお話しされます。

内科に行き診てもらうと、逆流性食道炎と診断されました。ストレスによる自律神経失調症だと言われ、胃のお薬と神経を和らげるお薬をもらいしばらく様子を見ていたそうです。しかし一向に良くならず、どうしようか悩んでいる時に当院のことを知り、来院の運びとなりました。



逆流性食道炎が起こる原因は、固くなった横隔膜と胃にあります

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逆流性食道炎の治療を行う際、重要なことは胃が横隔膜に圧迫され、締め付けられているという事実です。

ストレスや過労が重なりますと、横隔膜や胃の機能が下がり、血流が悪くなり、柔軟性がなくなります。内臓もやはり筋肉でできていますので、内臓自体が固くなってくるのです。

図のように、横隔膜の中を胃が通ります。固くなった横隔膜が胃を締め付けますと、ここに胃酸がたまりやすくなり、食道の方へ胃酸が流れてしまうのです。これが逆流性食道炎の実態です。

ですので、横隔膜と胃を手技で柔らかくすることが、逆流性食道炎の症状改善には必要不可欠と言えます。


滋賀県の鍼灸院が逆流性食道炎の患者さんに行った治療の流れ


治療1回目

一回目の治療ではまずは横隔膜、胃の状態をチェックします。仰向けになってもらい、横隔膜と胃を上から触ってみます。

すると、どちら木の板のように硬くこわばっており、まったく弾力がありません。押しても押しても、跳ね返りがないのです。まずはこの固い横隔膜と胃をどうにかして柔らかくしないといけません。

次に首と肩を触っています。第1頸椎を触ってみますと、左側が前に出て、右側が後に下がり、ねじれているのがわかりました。やはりこのせいで首に痛みが出ていると思い、こちらのねじれも何とかしないといけません。


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頸椎の中でも1番上の骨、第1頸椎が、臨床上特にねじれやすいと言えます。なぜならば、上に後頭骨が乗っかり、頭の重さを支えなければならないからです。ですので、首の治療の際、一番重要視する所は第1頸椎となります。これを調整すると、その下にある2~7番の頸椎も、1番に連られ整ってきますので、第1頸椎は、治療ポイントとして特に重要と言えます。

関連リンク:頸椎の治療について
  
治療はまず木の板のように硬くなっている横隔膜を緩める事から始めます。

横隔膜は、脇腹や胸の下の肋骨に貼りついています。ですので、肋骨を触り、横隔膜を緩めますと、胃からキュルキュルと音が鳴りました。これは、横隔膜に圧迫されていた胃が緩み、活動してきた証拠です。そのまま胃も触り、緩めていきます。これにより、横隔膜に締め付けられていた胃が解放され、胃酸がたまりにくくなり、胃酸の逆流も消失していきます。

次に頸椎を治療します。頸椎は歪みがひどく、また周りの筋肉も固まっていましたので、はり治療を行うことにしました。はり治療は、直接悪いところに刺激を与えるので、とにかく症状の治りが早いです。ですので、横向きになってもらい、後頭骨と頸椎の間、首の付け根や肩に針を刺し、15分ほど刺したまま置いておきます。

はりを刺している間、そこに血液が集まり、損傷している組織に血液が流れ込み、回復を促します。15分後はりを抜き、その後第1頸椎の調整を行いました。

気分はどうですかとお尋ねしたところ、だいぶスッキリしてきた、お腹が空いてきたとおっしゃっています。これで1週間様子を見てもらうことにします。



治療2回目
この1週間調子はどうでしたかとお尋ねしたところ、胃酸の逆流が少しましになったとお話しされました。胃酸の逆流が、少し減ってきたようです。首の方はどうですかとお尋ねしたところ、少し楽だがまだ気になるとおっしゃいました。

どうも胃と首がお互いに影響を及ぼし合っている、連動している可能性が高いのではないか。そう考えました。

内臓の機能低下が、背中や肩、首に影響を及ぼす事は、臨床上少なくありません。心臓の機能低下が背中に出る、腎臓の機能低下が腰に出るなど、内臓が原因でさまざまな症状を及ぼす事はやはり考えておかなくてはいけません。この患者さんも、胃の機能低下で、背中、肩、首に影響を及ぼしていると考えられるのです。ですので、横隔膜、胃と首とを両方しっかり治療しなければならないということです。

今回も前回と同様の治療をします。横隔膜と胃を触診したところ、前回の木の板のような硬さはありませんでした。やはり少し緩んできているようです。また首は前回ほどではありませんが、まだ歪みが残っています。ですので、今回も前回と同様の治療し、また1週間様子を見てもらうことにしました。


治療3回目

また一週間の様子をお伺いした所、胃のムカムカや喉が焼けるような感じは少なくなってきたとおっしゃいます。食欲もでてきて、食事もおいしく頂けるということでした。

また、首の方も痛みはだいぶと減ってきて肩こりもましだとおっしゃいます。ただ、夜寝付けないのが気になると訴えます。

横隔膜や胃を触ってみますと、だいぶ弾力が出てきています。内臓に力が戻ってきた感じというのでしょうか。そんな感じが伝わってきました。

今回も前回同様の治療をし、寝付けないということでしたので、頭へのはり治療を追加し、一週間様子をみてもらうこととしました。


治療4回目からそれ以降

逆流性食道炎は、もうほとんど気にならなくなりました。首の方は、お仕事がハードになると、辛くなる時もありますが、少し休むとましになるということです。
ですが、寝つきの方はまだまだ波があるようです。すっと寝れる時もあれば、全然寝付けない時もあり、ばらつきがあります。現在はこちらの方をメインに治療しており、自律神経失調症の治療も含めて通院されています。



逆流性食道炎の方への治療まとめ


今回は逆流性食道炎と首の痛みということでした。逆流性食道炎は、確かにストレスや過労などから発生するかもしれませんが、横隔膜に胃が締め付けられ起こるという、きちんとした理由があります。

ですので、圧迫の問題さえきちんと取れれば、しっかりと治ってきます。横隔膜と胃を治療で緩めることができるかどうかが改善への分かれ道となると言えるでしょう。

また、首の痛みは、ゆがみやすい第1頸椎の問題をしっかりと取ることが重要になります。第1頸椎は、小さくまた深い所にありますので、的確に触り調整できるかどうかが大切と言えます。

当院では腰や首など運動器の問題だけでなく、内臓や頭の施術をすることにより、様々な症状に対し柔軟に対応できるよう日々治療に取り組んでいます。


  • この記事を書いた人

  • 岸野洋人

  • 滋賀県野洲市きしの鍼灸接骨院の院長。学生時代にいつまでも治らない腱鞘炎に困り果て、その症状を治した鍼灸治療から治療家の道に。夢は治療をしながら世界を回ること。
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