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腰痛が酷くて出来なかったスポーツ。でも滋賀県の鍼灸接骨院で診断・治療したら…


この患者さんは当院に通院されているお友達から当院のことを聞き、来院されました。

主訴は腰椎すべり症手術後の腰痛です。3年前に腰椎すべり症の手術を受けておりますが、腰痛は手術後も継続しているということです。手術をする以前は、腰痛、足の痛みしびれがひどく、もういてもたってもいられないほど痛かったそうです。手術後足のしびれはなくなりましたが、腰痛が消える事はなく、毎日痛みは存在すると訴えます。

なぜ痛みが存在するのか?そして当院で診断・治療した結果を綴ります。

腰痛が痛くなったそもそもの原因は?


なぜこのようになったのかとお尋ねしましたところ、テニスが原因とおっしゃいます。

以前は、週に3、4回テニスをされており、それにより腰が痛くなったようです。その時病院に行かれ、レントゲンを撮り、腰椎すべり症と診断されたとおっしゃいます。

病院にはすぐ手術をするよう言われたらしいですが、しばらく様子を見て過ごされていました。しかし、いてもたってもいられないほど痛みが強くなり、手術を受けられたようです。

この患者さんは多趣味であり、テニスや踊り、旅行などとにかく活動的です。それらを楽しむためにも、しっかりと身体を治療し、趣味や生活を充実させたいという思いから、当院来院の運びとなりました。


すべり症は腰椎の骨折があるものとないものに分けられる


腰椎すべり症は、腰椎が前に移動しているものを言い、骨折があるすべり症と骨折がないすべり症に分けられます。図を見てください。


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分離すべり症と変性すべり症とあります。分離とは、腰椎に骨折があり、骨が離れ前にすべっているものを言います。変性とは骨折はないが、腰椎が変形し前にすべっているものを言います。

どちらのすべり症でも第5腰椎に発生しやすいのですがいずれにせよ、分離でも変性でも腰椎が前にすべっていることに変わりはありません。

第5腰椎は、骨盤の真ん中の骨=仙骨と関節をしており、5番が前にすべるということは、仙骨も前に持っていかれるということになります。これにより、第5腰椎と仙骨の関節=腰仙関節に、ゆがみが生じ、大きな負担がかかりやすくなり、関節が固まって動かなくなります。

この腰仙関節の機能障害が、関節包に付着している神経を刺激し、痛みを引き起こしていると言っても過言ではありません。ですので、すべり症の方への腰仙関節治療は必須項目となり、治療ポイントとなるのです。

関連リンク:腰痛治療のページ


腰椎すべり症を実際に診断、治療した時の流れ

治療1回目

問診も終わり、触診してみたいと思います。仰向けで膝を立ててもらい、左右に倒します。この検査で、腰の硬さや骨盤の状態を見るのですが、左右どちらに倒しても左側の腰がつっぱり痛いとおっしゃいます。左の腰が悪いとこれでわかりました。

左側を上にして横向きになってもらい、骨盤と腰の間の関節=腰仙関節、骨盤と仙骨の関節=仙腸関節の調整を行い、腰椎と腰椎の間の関節=椎間関節を調整し、関節包内運動を整えます。

そして股関節も同時に調整し、また仰向けになってもらい、膝を立て左右に倒してもらいます。すると痛みなく倒すことができますので、腰部が緩み、身体がしっかり変化したことがわかります。また4日後に来てもらうことにしました。



治療2回目

前回の治療から調子はいかがでしたかとお尋ねしたところ、腰の痛みは少し楽になりましたということです。この間にテニスをし、気持ちよくできましたとおっしゃいました。

早速横向きになってもらい、腰仙関節、仙腸関節、椎間関節を触診しましたところ、前回よりは動きが出てきています。特に腰仙関節は.腰椎5番からの圧迫が薄れ、解放され、自由を取り戻したような感じを受けました。

今回も前回と同じ治療し、今回は特に股関節と大腰筋も視野に入れ、膝、足首なども一緒に調整してみました。特に大腰筋は、腰に症状がある方のほぼ100パーセントに筋緊張が見られ、固くこわばっています。

ですので、大腰筋をいかに緩めるかが腰痛を取る際の必須項目と言えます。今回はこの大腰筋を特に念入りに治療し、また4日後に来てもらうことにします。


治療3回目

前回からどんな感じでしたかとお尋ねしたところ、腰も楽になったが足が軽く上がるようになったとおっしゃいます。大腰筋の治療の成果が少し出ているようです。

腰痛を出す疾患はたくさんありますが、どの疾患にも共通して言えることが腰仙関節、仙腸関節、腰椎椎間関節、大腰筋の治療です。これらをしっかりと調整すれば、症状は軽くなってくると言えます。疾患名にとらわれる事は全くありません。

今回も前回と同じ治療し、今度は1週間受けてもらうこととします。


治療4回目からそれ以降

1週間調子はいかがでしたかとお尋ねしたところ、痛みは日常生活では気にならない位に軽減したようです。

ですが、立ったり座ったりを繰り返したり、長時間テニスをしたりすると、突然大きな痛みが襲ってくる時もあるということです。以前はそれが長く続き、また起きる頻度も多かったらしいですが、最近は減ってきているとおっしゃいます。まだまだ治療の余地は残っているようです。

その後も患者さんは、週1回か2回治療に訪れ、身体の調整を続けていらっしゃいます。正直なところ、痛みをゼロにすることは難しいかもしれません。手術で、すべった腰椎を固定してしまうと、関節包内運動を最大限に調整することができなくなるからです。ある所まで調整すると、腰椎自身が止まってしまい、それ以上の調整が不可能となります。

しかし、普段の生活が楽に送れ、スポーツも気兼ねすることなく行うことができますので、治療はこのまま継続していきたいと思います。


腰椎すべり症手術後の腰痛の症例について:なぜ今回痛みを少なくすることができたのか?


すべり症は、骨折を伴うものと伴わないものがありますが、どちらの症状とも腰痛は強く発生してきます。座っていても寝ていても腰痛が気になり、痛みのレベルが高い、悩みが大きい疾患の1つだと言えるでしょう。

完全に痛みを取り去る、ゼロにすることは正直難しい所ではあります。しかし施術することにより、日常生活に支障が出ない程度まで、痛みのレベルを下げることは可能です。

ですので、当院ではこのような状態を目指し、すべり症の患者さんが楽に毎日を過ごせるよう、施術を行っています。


  • この記事を書いた人

  • 岸野洋人

  • 滋賀県野洲市きしの鍼灸接骨院の院長。学生時代にいつまでも治らない腱鞘炎に困り果て、その症状を治した鍼灸治療から治療家の道に。夢は治療をしながら世界を回ること。
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