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7年も苦しんだ四十肩が滋賀の鍼灸接骨院で解放!行った診断・治療とは?


この患者さんはホームページを見て良さそうだと思い、来院されました。メールにて何度か質問を受け、私がそれに答え、思い切って来院されたようです。当時京都に在住しており、京都から野洲まで週1、2回通院されていました。

通院された初回から現在までを綴っていきます。


通院前の四十肩の状態「90度以上腕が上がらない!」


この患者さんは7年という長い年月の間、四十肩に悩まされていたようです。肩を動かすと痛い、腕を上げると痛い、90度以上腕が上がらない、背中や首まで痛いなどの症状がありました。

いつごろからなぜこのようになったのか聞いてみますと、1番初めに痛み出したのは7年前だそうです。最初は筋肉痛かと思っていたが、徐々に腕、肩が上がりにくくなり、痛みもどんどん強くなってきたようです。

なぜこのようになったかとお聞きしましたところ、特に思い当たる節はないとおっしゃいます。別にこれといって何かしたわけでもなく、急に筋肉痛みたいな痛みが出始め、それがひどくなってきたとお話しされました。

当院に来院されるまでの7年間、ありとあらゆる治療を試されました。

ご近所の整体に行ったり、マッサージに行ったり、はり治療に行ったり、整形外科で注射を受けたり考えられる事は大概してきたようです…。

それでも痛みが取れてこないので、ここ2,3年はもう諦め、半分ほったらかしの状態だったとおっしゃいます。

そんな中ホームページで当院のことを知り、何度か私に質問のメールを送ってくださいました。私がそれに答え、患者さんがしっかりと納得した上での治療開始となりました。ないぶん京都から来院されるということですので、野洲までお車で1時間以上かかります。その大変な通院を無駄にしないためにも、何とか改善しようと思い治療にあたりました。


四十肩への滋賀県の鍼灸整骨院の治療の全流れ、綴ります


治療1回目

早速座ってもらい、左肩を横に上げてもらいましたら、60度ぐらいしか上がりません。また、前に上げてもらいますと、こちらは90度まで上がります。

そして、腕をひねる動作をしてもらいますと、内ひねり外ひねりともに痛みが出て、とても辛そうです。この肩で7年間生活してきたかと考えますと、非常に苦労してきたのではないかと伝わってきました。


肩は構造上前に出ていますので、前方に数ミリずれやすくなります。

肩の治療でどうしても外せないことが前方へのズレ。肩に症状がある人、四十肩でも肩こりでも何でもそうですが、ほぼ100パーセントの方に、この前方への数ミリのズレが見られます。肩の構造上、使いすぎや悪い姿勢などで前方へのズレが生じます。ですので、このズレを見極めるかどうかが、症状軽減への重要なポイントとなります。


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患者さんの肩を触診してみますと、やはり前方へ数ミリズレています。そして、ズレたまま、数ミリはみ出したまま、その状態で固まっているのです。

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やはり7年という長い年月からでしょうか。前方へズレただけでしたらまだマシですが、ズレたままの形で組織が固まってしまっているのです。これはちょっと時間がかかりそうだと患者さんにお伝えし、横向きになってもらい、治療を始めます。

頸椎の触診では、上向きで寝てもらって行います。

、第1頸椎を触ってみますとこちらもひどくねじれています。第1頸椎の左側が前にずれ込み、右側が後ろに下がり大きくねじれています。首が先にねじれたのか、左肩のせいでねじれたのかそれはわかりませんが大きくねじれている事は確かです。


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ですので、このねじれを調整し、環椎後頭関節の関節包内運動を整え、もう一度座ってもらい、肩を上げてみました。

すると、先程横に上げた時60度位でしたが、100度位まで上がるようになりました。また、腕を前に上げますと90度位だったものが120度位まで上がっています。ひねる動作はまだまだ辛そうですが、肩の可動域は少し改善されました。

患者さんも少し安心され、ほっとした様子です。今後も治療を続けていきたいとおっしゃられましたので、また来週来ていただくこととしました。




治療2回目

この1週間調子はどうでしたかとお尋ねしたところ、肩や首がだいぶスッキリしてきた、こんな感じは本当に久しぶりですとおっしゃいました。

肩がこんなに動くようになったと、実際動かしてみて旦那さんに自慢されたようです。

また座ってもらい肩を横に上げてみますと、90度位までは上がりますが、それ以上は痛そうです。前に上げてみますと、120度位まで上がります。また内ひねり外ひねりをしていますと、内ひねりのほうはだいぶ痛みが減ったとおっしゃいますが、外ひねりはまだまだ痛いとおっしゃいます。

また横向きに寝てもらい、前回と同様の治療をしました。肩の前方へのズレは、前回よりはマシになっています。しかしきちんと関節がかみ合うまでには、まだまだ治療が足りません。しっかりと後ろに戻し、周りの筋肉を緩め、また後ろに戻し、また緩めることを繰り返します。

その後関節包内運動を整え、背中、首を触り治療しました。また今日は腰も気になると言うことで、腰のほうの施術もし、1週間様子をみてもらいます。


治療3回目

今日は来院された際に、ちょっとしたプレゼントをいただきました。野洲に来るまでの高速のサービスエリアで買っていただいたようです。肩も少しずつ改善してきているようでこちらも一安心です。

また座ってもらい、肩を横に上げてもらいます。今日は100度位まで上がり、大分と肩の調子が良くなってきた様子が伺えます。次に前に上げてもらいますと、140度位まで上がり、こちらも治療の成果が出てきた模様です。内ひねり外ひねりは、内ひねりは痛みなくできるとおっしゃいます。問題は外ひねりです。こちらに痛みが残ると訴えます。

四十肩五十肩の治療をしている際、だんだんと改善していく上で、1番最後まで残るのが肩甲骨の外側についている大円筋、小円筋、肩甲下筋の問題です。臨床上四十肩五十肩を診ていますと、やはり最後まで固まっているのがこの3つの筋肉なのです。この3つの筋肉は、外ひねりの動作を行う筋肉として、重要な役割をしています。ですので、今日はこの筋肉をしっかりと緩める治療に重きを置き、施術を進めました。


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そしてこれでまた1週間様子を見てもらいます。


治療4回目

ここまでの治療で、症状の改善はしてきていますが、肩甲骨の外側の筋肉(大円筋、小円筋、肩甲下筋)に硬さが残ります。ですので、今日からはこの部位にはり治療を追加し、またいつものように治療を進めました。

治療後、肩を横に上げてもらいますと150度位まで上がります。そして、前には160度位まで上がります。可動域はだいぶ確保されてきました。問題の外ひねりですが、まだ完全に痛みが取れた訳ではないが、ひねる時の痛みがだいぶと減ったとおっしゃいます。肩甲骨外側へのはり治療が功を奏したようです。これでまた一週間様子をみてもらいます。


治療5回目からそれ以降

その後、これらの施術を週一回のペースで進めていき、10回行った時点で、肩を動かす時の痛みはほとんどなくなりました。可動域もしっかりと改善され、違和感なく日常生活を過ごされているようです。

生活による疲労や、使い過ぎから出る肩こり、腰痛はありましたので、治療はそのまま継続していました。1年ほど治療を続けていましたが、お引越しのため大阪に行かれ、現在は数か月に一度身体のケアのため来院されています。


四十肩の症例について:なぜ今回の症状は7年も続いたのか?

今回は、四十肩の治療ということでした。ただし、7年続いていましたので、難治性の四十肩と言えます。

肩の治療で大事なことは、前方への数ミリのズレを見極め、それをしっかりと治療できるかということです。この患者さんの場合、ズレているだけでなく、その状態で固まっていました。このような場合どうしても時間がかかってしまいますが、しっかりと前方へのズレを治すことにより、症状の年月に関係なく、改善できます。

そして、よく言われるますことが、四十肩五十肩は放っておいても治ると言うお話しです。確かにすっきり治る方もいるでしょう。ただし、すっきり治ったと言う患者さんの肩を触らせていただくと、しっかり腕が上がってきません。肩の可動域が狭くなったまま、治っている(痛みが取れている)のです。

日常生活は問題ないかもしれませんが、この可動域のまま過ごされますと、他の部位に負担がかかります。首や背中、肘など肩以外の部分でこの悪い可動域を補うこととなり、肩以外を痛めてしまう可能性が大きくなります。

実際当院でも、肘が痛い、首が痛いとおっしゃられた方に色々と聞いてみますと、五十肩を治療しないでそのまま放置していたという方は、臨床上多く見受けられます。ですので、症状が出た場合放置せずしっかり治療し、肩の可動域をしっかり確保することが必要と言えるでしょう。

四十肩と五十肩は違う?一緒?


いわゆる四十肩、五十肩ですが、両方とも症状は全く同じです。

40代に発生すると四十肩、50代に発生すると五十肩と言われていますが、60代70代でも年齢に関係なく起こります。私の経験では90代の方が、この五十肩にかかり、肩だけ50代と喜んでいましたが、90代でももちろん起こります。これらは、突然何の前触れもなく起こるという方が多く、原因が特に見当たらないのです。

原因が特に見当たらないがとにかく肩が痛い。

これは何を意味するかといいますと、長い歳月により筋肉や関節包、じん帯などの組織が傷つき、その見えない傷がじわりじわりと広がっていき、ある日突然痛みとして現れてくるのです。皮膚にできる傷は見た目にもわかりますが、組織の傷は見えませんので、見た目には全くわかりません。

また、痛みとして出てくる前に、肩が以前より上がらなくなった、常に重たい感じがするなど前触れはあります。しかし、普段から肩こりがある方には、正直違いがわかりにくいでしょう。

当院では、四十肩、五十肩に対し、無理に肩を上げるようなことは行わず、数ミリのズレをしっかりと見極めることにより治療を進めていきます。これにより、身体への負担を最小限に抑え、無理なく症状が改善することが可能となります。



  • この記事を書いた人

  • 岸野洋人

  • 滋賀県野洲市きしの鍼灸接骨院の院長。学生時代にいつまでも治らない腱鞘炎に困り果て、その症状を治した鍼灸治療から治療家の道に。夢は治療をしながら世界を回ること。
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