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腱鞘炎といっても実は種類がある。各腱鞘炎の種類と効果的な治療法


親指が痛い=腱鞘炎、こんなイメージありませんか?腱鞘炎は親指以外にも起こりえます。


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図を見て下さい。まず、腱とは赤い筋肉の続きの部分で、白くなっている部分を言います。名前は違いますが、腱とは筋肉の続きのことです。

そして、この腱を包んでいるのが腱鞘となります。腱と腱鞘がこすれ合い、炎症を起こしている状態を腱鞘炎と呼びます。なぜ炎症が起きるかと言いますと、使い過ぎにより、腱と腱鞘のこすれる頻度が多くなり、それが熱となり炎症が起きてしまうのです。

実は腱鞘炎と言うのは、親指だけに起こるものではなくどの指でも起こりえます。ただ、親指に起こることが多いのは事実です。なぜなら、指の中でも親指が1番大きく動き、また1番よく使う所だからです。

今回は親指と親指以外にも起こる腱鞘炎についても考えてみたいと思います。ざっと病名を挙げてみるとこんな感じになります。

・overuse(使い痛み)
・ドケルバン腱鞘炎(狭窄性腱鞘炎)
・へバーデン結節、バネ指(弾発指)
・リウマチ
・ガングリオン
・肘部管症候群
・テニス肘
・手根管症候群
・ギオン管症候群

色々な病名がありますが結局の所、どの場所で炎症が起きているか、それだけです。

病名にとらわれることは全くありません。身体のどこに負担がかかり、どこを治療すれば良いかそれだけです。それでは、一つ一つ簡単に説明してみたいと思います。

Overuse(使い痛み)

病名とまではいきませんが、いわゆる使い痛みです。

ドケルバン腱鞘炎(狭窄性腱鞘炎)

いわゆる一般に言われる親指の腱鞘炎のことです。

ヘバーデン結節

指の第1関節が腫れ、痛い。親指以外どの指でも起こりえる。使い過ぎによる指の変形が原因となる。

ばね指(弾発指)

腱鞘炎が進み、筋肉にダマができると、それが関節にひっかかり指が伸びない。指を無理矢理伸ばすと、ゴムのようにビーンと伸び、痛みを伴う。

リウマチ

関節包が免疫細胞に攻撃され、常に炎症している状態。指では、第2関節が複数変形し、両手とも症状が出る。片手にしか出ないものは、リウマチの可能性は低い。病気が進行すると、身体の末梢から中心の関節へ変形が進む。

ガングリオン

関節包にゼリーが溜まり、関節が腫れるもの。なぜ溜まるのかはよくわかっていない。手首にできることが多いが、関節ならどこにでも発生する。

肘部管症候群

肘の内側で神経を圧迫し、小指と薬指に痛みやしびれなどの症状がでるもの。加齢や子供の時の骨折が原因で、肘が変形している方に発症しやすい。

テニス肘

肘の外側で筋肉が炎症し、肘の痛みと共に手首や中指にも症状が出ることがある。

ギオン管症候群

手首の小指側で、手の平との境目辺りにあるトンネル。この中で神経が圧迫されると、小指や薬指に痛みやしびれの症状が出現する。

手根管症候群

手首中央と手の平との境目にあるトンネル。この中で神経が圧迫されると、指全体に痛みやしびれの症状が発生する。

各指の痛みについて考えられる疾患名

親指の痛みの場合考えられる疾患
Overuse(使い痛み)、ドケルバン腱鞘炎(狭窄性腱鞘炎)、バネ指(弾発指)、リウマチ、ガングリオン、手根管症候群

人差し指の痛みの場合
Overuse(使い痛み)へバーデン結節、バネ指(弾発指)、リウマチ、ガングリオン、手根管症候群、

中指の痛みの場合
overuse(使い痛み)、へバーデン結節、バネ指(弾発指)、リウマチ、ガングリオン、テニス肘、手根管症候群、

薬指の痛みの場合
overuse(使い痛み)、へバーデン結節、バネ指(弾発指)、リウマチ、ガングリオン、肘部管症候群、手根管症候群、ギオン管症候群

小指の痛みの場合
overuse(使い痛み)、へバーデン結節、バネ指(弾発指)、リウマチ、ガングリオン、肘部管症候群、手根管症候群、ギオン管症候群


各腱鞘炎の種類に対して滋賀県の鍼灸整骨院が行う治療について


冒頭でも申しましたが、病名にとらわれる事は全くありません。指でも手首でも痛みが出ていると言う事は、身体の中心部である首、肩、背中の治療が必ず必要となります。いくら患部を治しても、身体の中心部から治さない限り、患部の痛みはまた再発するからです。ですので、当院では患部と身体の中心部と必ずセットで治療を行います。

そして、当院で特に重要視しているのが手根骨です。手根骨をしっかりと整列させ、関節包内運動を整えることにより手首、指への負担を減らし、炎症を抑える環境を整えます。

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親指側が痛い場合、親指側の手根骨である舟状骨、大菱形骨を特に調整します。人差し指や中指が痛い場合、月状骨、小菱形骨、有頭骨を主に調整し、薬指小指が痛い場合、三角骨、有鈎骨、豆状骨を調整します。

特にギオン管症候群の場合、神経は豆状骨のすぐ横を走っています。ですから、豆状骨を調整しますとすぐに痛みや痺れが取れるケースが多々あります。手根管症候群も同様に、手根骨と筋肉の間を神経が走っていますので、手根骨の調整によりすぐに症状が変化することも多く見受けられます。

このように指、手首の痛みは、手根骨と密接に関わっています。ですので、当院では手根骨の調整に重きを置き、すぐに結果が出るもしくはいかに早く症状を変化させられるかにこだわり、治療に当たっています。

もし、指や手首の痛みに対し、様々な治療してみたが効果がなかったと言う方は一度治療にいらしてみてください。きっと今までとは違う何かを感じることができるかと思います。


  • この記事を書いた人

  • 岸野洋人

  • 滋賀県野洲市きしの鍼灸接骨院の院長。学生時代にいつまでも治らない腱鞘炎に困り果て、その症状を治した鍼灸治療から治療家の道に。夢は治療をしながら世界を回ること。
    >>詳しいプロフィール

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