うちが力を入れて診ている病気の一つに腱鞘炎があります。
腱鞘炎は、親指の付け根、手の甲側が痛くなる病気です。指の使い過ぎや手の使い過ぎで、炎症を起こして痛くなってしまうのです。
最近うちにも重度の腱鞘炎の方が来られました。
庭の木を切るのにハサミを使い過ぎて、親指付け根が痛くなってきたそうです。整形外科で炎症を止める薬を注射したがよくならず、他の整骨院に通ってみたが良くならず、当院来院となりました。
触診してみると、確かに親指の付け根が腫れています。痛くて指が上がらない、広がらないと訴えてました。
いつものように、首や肩、肘や手首、指の調整をして最後に指を動かしてもらうことに。しかし、変わらないとおっしゃります。
うーん、困ったなーと思いながらも一旦それで様子をみてもらうことに。
1週間後に来院されて、どんな感じか聞いてみますと変わらないとおっしゃります。
それならば違う視点でやって治療してみようと思い、試行錯誤触診していたら、親指の手の平側がやたらと固くなっているのを発見しました。
それが画像の母指球筋という筋肉です。痛い所の裏側、手の平側にある筋肉なのですが、これが異常に固くなっていました。
これはあやしいぞと思い、ここを丁寧に治療して、患者さんに指を動かしてもらうとその場で少し動くようになりました!
患者さんは大喜び、僕はほっと胸を撫で下ろしました。
腱鞘炎は母指球筋、痛い所の裏側を治療すると良くなることがまた新たにわかりました。
もちろん痛めている箇所も大事な治療ポイントですが、この症例のように痛い箇所だけ治療していても良くならないものも多々あるということです。
以上腱鞘炎の症例報告でした。
この記事を書いた人
岸野洋人
滋賀県野洲市きしの鍼灸接骨院の院長。学生時代にいつまでも治らない腱鞘炎に困り果て、その症状を治した鍼灸治療から治療家の道に。夢は治療をしながら世界を回ること。
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