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腰痛の原因は1つではない!腰痛になりやすい原因を詳しく紹介します。


・腰が痛い、重い、ズキズキする
・動く度に腰がギクッとなって気になる
・腰がモゾモゾ気になって、長時間座っていられない
・身体を前に倒すと、腰が伸びず、前かがみができない
・座って立つときに、腰がビクッとなり立ち上がるのも恐い
・寝起きに腰がだるく、目覚めが悪い、すぐに動けない

最近何だか腰が気になって、生活しにくくなってきた。そう感じることはありませんか?

日常生活を送っていますと、腰痛はやはり多くの方が経験することだと思います。身近にありすぎてあまり気になさらない方、いやとにかく腰痛で悩んでいる方など様々な方がいらっしゃることだと思います。

今回はこの腰痛に関して、なぜ腰痛が起きてしまうのかということを詳しく説明していきます。


同じ年齢、同じ体つきをしていても、腰痛が起きる方と起きない方の差は何か?


まずはこの図をご覧ください。

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〈背骨が真っ直ぐ一直線に並んでいる方は稀です〉
これは背中、特に腰から下を見た図です。1―5番の腰の骨(腰椎)と骨盤の骨(仙骨せんこつ)が連結しているのがわかります。

教科書ではこのように、一直線に骨が並んでいますと習いますが、残念ながら骨がこんなきれいに並んでいる方は皆無です。年齢と共に、特に30代を超えますと、腰椎はあっちを向いたり、前に出たりと、バラバラに並んでしまっているのです。これは、日常生活を送っていれば仕方のないことと言えます。

ですので、どなたでも腰椎のズレは見られます。このズレが小さい方もいらっしゃいますし、大きい方もいらっしゃいます。そして、この腰椎のズレが、腰痛と関係してくると考えるのですが、ここで人体の不思議な現象が起きます。

〈腰椎のズレが大きくても、変形していても、腰痛が全くない方は大多数存在するという事実〉
普通に考えますと、大きく移動しズレている人の方が、痛みは強そうだと思いますが、そうとも限らないのです。大きくズレていても、変形をしていても、腰痛が全くない方は数多く存在します。

健康診断などでレントゲンを撮ってみて、初めて自分の腰椎がバラバラだと気づく方も多いのです。ヘルニアになっていたり、すべり症になっていたり、レントゲンを撮って初めて知るのです。もちろん、その方に腰痛はありません。

〈腰痛の原因は、腰椎のズレではなくて他にある〉
つまり、腰痛と腰椎のズレは、全く比例してこないのです。腰痛の原因は、腰椎のズレではなくて他にある。まずはこの事実を知って頂きたいと思います。

それでは、腰痛の原因を見ていきましょう。

原因は4つあります。しかも、4つの原因が単独で腰痛を起こしていることは少なく、これらの原因が複雑に絡み合って、腰痛を引き起こしていることがほとんどです。ですので、1つの原因にこだわらず、様々な角度から腰痛の原因を探ることが大切だと言えるでしょう。

腰痛の主な4つの原因について


1.筋肉由来の腰痛
2.関節由来の腰痛
3.精神的ストレス由来の腰痛
4.内臓由来の腰痛

以上4つです。1つ1つ順番に考えてみたいと思います。


1.筋肉由来の腰痛

先ほどの冒頭の図、腰椎の周りには、何があるかと申しますと、筋肉です。筋肉が腰椎や骨盤を支えています。この筋肉が元で、腰痛を引き起こしているのが、1つ目の原因となります。

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図を見ますと、様々な筋肉が腰に付いており、腰を支えています。これらの筋肉が、生活習慣や仕事などでバランスが崩れ、固く縮こまると痛みが発生してくるのです。

この数ある筋肉の中で、特に大事な筋肉は2つあります。それが腸腰筋(ちょうようきん)と多裂筋(たれつきん)と言われる2つです。この2つの筋肉が特に痛みを引き起こすやすく、臨床上特に重要視している筋肉となります。ですので、まずはこの固く縮こまった2つの筋肉の柔軟性を取り戻すことが、腰痛改善への第1歩と言えます。

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2.関節由来の腰痛

冒頭でもお話しした通り、背骨が真っ直ぐきれいな方は稀です。ほとんどの方の背骨が、出たり入ったりして曲がっており、1直線では無いのです。ですので、骨=関節には負担がかかりやすいと言えます。

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腰と腰の関節=椎間(ついかん)関節にも、もちろん負担はかかるのですが、ここで注目すべき所は、腰を支えている土台である骨盤です。椎間関節1つ1つの歪みよりも、骨盤の仙腸(せんちょう)関節や骨盤と腰が連携している腰仙(ようせん)関節。腰を支える土台の関節であるが故、ここをどうにかしないと腰痛は改善してこないと言えるでしょう。
   
腰と骨盤の連結部分、腰椎と仙骨という骨の連結部なので、腰仙(ようせん)関節と言われます。この腰仙関節が、腰痛を改善する最も大きなポイントとなるのです。

この関節にしっかりと動きがあれば、腰椎に問題がありましても、下で支え、衝撃を吸収してくれます。土台がしっかり支えてくれれば、上の方でヘルニアが起きようがすべり症が起きようが、問題にならないのです。

そして次に大事な関節が仙腸(せんちょう)関節と言う関節です。聞いたことがある方も多いかと思いますが、骨盤(腸骨)と仙骨の間の関節になります。この仙腸関節は、腰を支える土台でもありますが、足からの衝撃や負担も伝わってくる場所です。ですので、腰だけでなく股関節や膝など下半身にも大きく関連してくる関節なのです。

腰痛で考えた場合、最も大事な関節は腰仙関節ですが、腰痛と下半身の症状もあるという方は、仙腸関節が大事になってきます。今回は腰痛と言うことで、腰仙関節を最も重要視していますが、どちらの関節も腰痛に関わる部分として大切だと言えます。



3.精神的ストレス由来の腰痛

これは心因性腰痛と言われるものです。日常生活でストレスにさらされていますと、交感神経が常に高ぶっている状態であり、これが腰痛の原因となります。交感神経が高ぶっている状態というのは、軽い興奮状態にあるということです。この状態において、身体は熱を持ちやすくなります。つまり腰も、常に炎症状態にあると言えるのです。

腰だけに限らず、関節が熱を持ちますと、関節内に水がたまります。これは、熱を冷やすために身体が起こす防衛反応です。水がたまりますと、関節の動きはプカプカと水に浮いたように緩くなり、触診してみると感じ取れます。これで、関節が炎症しているかどうか判断の目安が付くのです。ストレス由来の腰痛の場合、腰の関節の多くの箇所でこの炎症反応を見受けることができます。

このように、交感神経が活発になりますと腰の関節が常に炎症状態にある。これがストレス由来の腰痛の正体です。



4.内臓由来の腰痛

これは、例えば腎臓、胃、肝臓、腸など内臓に何か病変があった場合、それが背中に波及し、腰痛として現れると言うものです。この場合、内臓に腫瘍等の病変の時もありますが、内臓が疲れて、機能が落ちている状態でも腰痛は現れます。食べ過ぎや飲み過ぎで、胃や肝臓に負担がかかりすぎ、腰痛として現れることも多く見受けられます。

内臓由来の腰痛を見分ける大きなポイントとして、安静痛というものがあります。座っていても、横になっていても腰がシクシク、チリチリと痛い場合、内臓の疾患を疑うポイントと言えます。もちろんこれだけではありませんが、長引いている腰痛や日に日に痛みが増している腰痛等は、内臓の病変を疑った方がよいかもしれません。


以上腰痛になる4つの原因を見てきました。これらの原因がやはり単体で起こる事は少なく、2つ以上が複雑に絡み合い腰痛は起こります。ですので、原因を1つ1つ探り、1つ1つ紐解いていかなければならないのです。

ご自分で原因を探ることも大切ですが、原因は1つとは言えませんので、どこかで診てもらうことはやはり必要かと思います。その場合、骨だけでなく筋肉と、多角的に身体を診てもらえる所が良いと考えられます。

しっかりと治療すれば、必ず腰痛は改善してくるはずです。今治療に通っていらして、腰痛がなかなか改善してこないのは、もしかしたら見立てが間違っているのかもしれません。一度ご自分の腰痛を見つめ直し、生活習慣も考え直さなければならない時かもしれません。適切な処置をし、つらい腰痛から早く改善されることを心から願っています。


  • この記事を書いた人

  • 岸野洋人

  • 滋賀県野洲市きしの鍼灸接骨院の院長。学生時代にいつまでも治らない腱鞘炎に困り果て、その症状を治した鍼灸治療から治療家の道に。夢は治療をしながら世界を回ること。
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