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滋賀県の鍼灸整骨院が「リウマチで曲がらない膝に悩んでいた主婦」を治療!その施術・診断の流れを紹介します。


70代の関節リウマチによる膝痛をお持ちだった女性の方が本日のお話の主人公です。

来院前には両足の膝痛で関節リウマチのため、変形がだいぶ進んでいる状態に。


当院に来院されるまで、京都の整体院で膝の治療をしていたとおっしゃいます。ですが、治療に通うのに遠いので不便であり、痛みがそこまでは改善しないので、当院来院の運びとなりました。

通院後は体操教室にも週一回行かれるほどに回復!どうやって施術していったのかを関節リウマチと合わせてご紹介します。


関節性リウマチは全身に症状が出る大変辛い病気です。


関節リウマチの場合、やはり考えなくてはならない事は、全身の関節に症状が出るということです。指や手首はもちろんのこと、膝、腰、首など全身の関節どこでも障害される恐れがある、大変辛い病気なのです。


今回の患者さんの場合、関節リウマチの発症はもう25年前になるそうです。25年前のある日、手首や指が痛くなり、何かおかしいなと感じ、病院で関節リウマチと診断されたそうです。膝の症状が出始めたのは、ここ10年前からとおっしゃいます。
最近では歩行時の痛みや階段の昇り降り、特に降りるときの痛み、椅子から立ち上がる時の痛みなど、膝を動かした時や力を入れた時に痛みが強く出るようです。


リウマチを抑える薬の服用も実は考えもの。

この患者さんの場合、リウマチの進行を遅らせる強い薬を服用されており、そこまでひどくは全身に症状が進行していませんでした。

現在特に症状があるのは膝と言うことで、その他腰痛や股関節痛などは、多少なりともあるようです。しかし、強い薬を服用することにより、肝臓と腎臓に負担がかかり、特に腎臓に大きな負担がかかったようです。現在、その腎臓を当院で治療しており、少しずつ腎臓の数値が下がり回復傾向に向かっています。



腰痛への滋賀県の鍼灸整骨院の治療の全流れ、綴ります


治療1回目

まず膝の状態をチェックします。仰向けになってもらい、足を立てて、右膝を曲げたところ30度ぐらいしか曲がりません。反対の左膝は、70度位曲がりました。

何も症状がない人の膝なら、90度しっかり曲がり、踵がふとももに着きます。やはりリウマチの為膝が変形していますので、可動域がだいぶ狭くなっているようです。 30度以上曲げると、膝の内側が痛く曲がらないとおっしゃいます。ですので、治療は膝の可動域をアップさせることを目標とします。

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そして次に、腰の状態をチェックします。横向けになってもらい、骨盤と腰椎を触診したところ、骨盤と腰椎の間の関節=腰仙関節が固まってロックし、全く動いてきません。骨盤と腰がしっかり動かないと、膝には大きな負担がかかることとなります。

関連リンク
腰仙関節、仙腸関節についての記事
膝に関しての記事

そこで腰仙関節、仙腸関節の調整をまず行い、腰の関節包内運動を整えました。次にまた仰向けになってもらい、膝の調整をします。

膝の調整で大事なことは、膝を曲げる際に、脛骨が内側に回転しながら膝が曲がるという理論です。

この理論を知らないと、膝の調整は行えません。膝の関節包内運動を整えるという事は、脛骨をいかにうまく回転させるかということになります。

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なぜ脛骨が回転しないのかと申しますと、原因は色々と考えられます。膝を支える筋肉である大腿四頭筋が硬くなっているため。

膝のクッションである半月板がずれて、骨の間に噛みこんでいるため。膝の内部にある十字靭帯が、縮こまって、硬くなっているためなどが考えられます。ですので、どこがどのように障害されているかを見極め、それらの治療と脛骨の調整を合わせて行う必要があるのです。

治療で半月板、十字靭帯、脛骨を調整

この患者さんの場合、大腿四頭筋はそこまで硬くありませんでしたが、半月板と十字靭帯が障害されていました。

内側の半月板が噛みこみ、十字靭帯は硬く縮こまっていました。そのせいで脛骨がうまく回転できないものと推測されます。ですので、治療で半月板、十字靭帯、脛骨と調整しましたところ、60度位まで曲がるようになってきました。
〈膝を無理矢理曲げることは、損傷を引き起こしている〉

このように膝の関節を曲げる際、無理矢理力任せに曲げてはいけません。膝は曲がるようになるかもしれませんが、逆に痛みは強くなるはずです。力任せに曲げるということは、治療を行っているようで実は、膝内部の損傷を引き起こしていることになるからです。ですので、膝の内部をまずは丁寧に触診し整え、それから関節の調整をし、少しずつ無理なく膝を曲げていきます。


治療2回目

先週に引き続き、腰と膝の治療を行います。この1週間調子はいかがでしたかとお尋ねした所、いつもより楽に生活できた、階段や段差の昇り降りが軽くなったとおっしゃいます。

今回も仰向けになってもらい膝を曲げてみますと、60度まではいきませんでしたが、45度位までは曲げても痛くないようです。少しずつですが、膝の関節可動域が改善しています。

前回同様、腰仙関節、仙腸関節の調整を行い、膝の調整を行います。腰の方はだいぶと良いですが、膝の方はまだまだ十字靭帯が縮こまって固い、内側の半月板がひっかかるなどが触診でわかりました。

これらをまた調整し、膝を曲げていきますと70度位までは曲がるようになりました。しかし、これ以上曲げると痛みが発生するようですので、ここまでで止めておきます。また来週まで様子をみてもらうこととしました。


治療3回目

この一週間どうでしたかとお聞きしましたところ、だいぶと調子が良くなってきたので少し歩いてみたとおっしゃいます。家の周りを15分位歩いてみたところ、歩き終わったら少し痛かったが普通に歩けたと言っておりました。歩いた後2,3日後に、筋肉痛もあったようです。しかし、これは悪いことではありません。しっかりと筋肉=大腿四頭筋が使えてきた証拠なのです。ですので、筋肉痛は良い兆候だと言えます。

膝の内側の痛みはどうですかとお尋ねした所、最初に比べ痛みが半分位になってきたとおっしゃいました。痛みの方も、少しずつ改善傾向にあるようです。

膝の方を触診した所、半月板はスムーズに動いています。しかし、十字靭帯はまだまだ固いようです。今回も前回同様の治療をし、また一週間様子をみてもらうことにしました。

治療4回目
ここまでの3回の治療で少しずつ症状が改善してきていますので、この治療で方向性は間違っていないと考えられます。ですので、このまま治療を継続していけば症状は改善いくはずです。

この一週間の調子をお聞きした所、毎日少しずつ歩いているとおっしゃいました。15分位ですが、普通に歩けるようです。また、自宅マンションの階段を昇り降りした時や、買い物をして重たい荷物を運ぶ時なども膝は痛くないとお話しされました。

今回も腰、骨盤、膝と調整し、膝も70度曲がってきています。70度以上曲げることはやはり辛いようです。しかし、日常生活が十分にできているようですので、これ以上無理に曲げていく必要もないと考えます。ですので、70度までで止めておくこととしました。


治療4回目からそれ以降
膝の方もだいぶと調子が良くなってきており、30分位毎日歩いていると話され、歩く時間も頻度も増えてきているようです。また、最近はお友達に誘われ体操教室にも週一回行かれているとおっしゃいます。そして、電車やバスで遠出をし、車にも乗りドライブもしていると楽しそうにお話しされました。

現在は週1回か2回ほど治療に来られており、膝の治療を継続されています。また、リウマチの薬で負担がかかってしまった腎臓の機能を高める治療も同時に行っています。

腎臓に負担がかかりますと、腎臓は背中の方に変位する傾向があります。それを元の位置に戻すことによって、腎臓は本来の力を発揮し、機能が高まってくるのです。

実際腎臓の数値は下がってきており、何とか透析を回避しようと患者さん共々日々奮闘しております。


関節リウマチの症例について:変形性膝関節症の治療方法


今回は関節リウマチによる変形性膝関節症ということでした。

リウマチでもそうですが、年齢と共に膝が変形することは、多くの方に見受けられます。

しかし、変形していても、しっかりと関節包内運動を整え、関節包を緩めることができれば、日常生活を楽に過ごすことは十分に可能です。また、脛骨の回転運動、膝を支える大腿四頭筋や膝の内部(半月板、十字靭帯)の調整も合わせて行うことにより、膝を動かす時の痛みは消えていくと考えられます。

また、身体は使えば使うほど、動かせば動かすほど血流が良くなり、組織の回復を促し、身体にとって好循環のサイクルになります。痛い時は、身体も動かせず、血流も悪くなり、組織の回復も遅れ、悪循環のサイクルとなってしまいます。

いかに身体を好循環のサイクルにもっていくかが、症状を治す時のポイントとなります。当院では患者さんと共にこのことを考え、患者さんと共に様々な症状に対し日々奮闘しています。



  • この記事を書いた人

  • 岸野洋人

  • 滋賀県野洲市きしの鍼灸接骨院の院長。学生時代にいつまでも治らない腱鞘炎に困り果て、その症状を治した鍼灸治療から治療家の道に。夢は治療をしながら世界を回ること。
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